2022年07月04日
ビーチボーイズ再生計画
夏が始ったのか始まっていないのかよくわからないうちにスライドが粉砕し、夏を知ることもなく逝ってしまった哀れなビーチボーイズ(前回記事参照)。
彼らを再生すべく、まずは粉砕パワーの源であるリコイルスプリングを見直します。
まず組み込んでいたスプリングの強度を測定。以前にも紹介した方法(過去記事参照)で測定するのですが測定と言っても正確なものではありません。でも比較する目安には充分になる測定なので改めて説明しておきます。
写真のように秤の上にガイドとプラグとスプリングを組んだ状態で載せて…
ガイドの先端とプラグがツライチになっている状態でスプリングの反発を重さで計測します。これが平常時にかかる負荷でここでは「プリロード」と呼ぶことにします。
次にプラグを押し込んでリコイルバッファーから少しだけ浮いた状態でスプリングの反発を重さで計測。これをブローバックでフルストロークした時にかかる負荷とします。
この方法で4種類のリコイルスプリングの強度を測定。ちなみにビーチボーイズに組み込んでいたスプリングは純正をカットした物になります。
測定した結果がこちら。横軸がストローク長(cm)縦軸が反発力(g)です。
今回のポイントは「スライドが破損した原因はブローバック後のスライドのリターンが強すぎたからなんぢゃね?」→「だったらリコイルスプリングを弱くしてやれば破損しなくなるんぢゃね?」という単純な発想…
で、とりあえず各グラフが描く台形の面積をそれぞれのスプリングがスライドリターン時に発生する反発力と仮定すると…
純正:4675
AIP:3325
ビーチボーイズ用:3750
AIPカット:2100
となります。
ビーチボーイズ用は純正スプリングをカットして20%パワーダウンさせていたにもかかわらず結果的にスライドは破損…ということはこれよりもパワーのないスプリングで組んでみたらどうなるのか?
ちゅーことで手持ちの中で一番弱いAIPの物をカットしたスプリングで検証。
すると…
割れ…ない、と。
ただやはりスプリングが弱すぎて速射性能はダウン。ビーチボーイズ用に作ったスプリングより約44%パワーが落ちているのでスライドのリターンが目に見えて遅くなりました。
ということで新たにスプリングを作製。
スライドにダメージを与えず、且つ速射性能も出せるという条件。
難しく考えてもしゃーないのでスプリングレートが純正よりも低いAIPのスプリングをセレクトしプリロードが250gあたりになるようにカット。
でフルストローク時の負荷も計測しトータルパワーを比較すると
ビーチボーイズ用:3750
NEWスプリング:2600
AIPカット:2100
元々のビーチボーイズスプリングより約30%のパワーダウン、そして先程テストした弱々スプリングより約24%アップ。
このスプリングで再度組み立ててテストすると速射性能は良い感じに戻りレスポンスは改善。そして肝心のスライドは…
耐え…た、と
「いい感じぢゃーん」と撃ちまくっていたのですが、やっぱり出ました
ぱふぱふブローバック…
やはりプリロード260gだと抑え込みが足りずローディングノズル内部のバルブが閉じ切る前にブローバックが始まってしまう現象が発生。結果、連射すると「ぱふぱふ」の弱いブローバックが稀に発生してしまいました。
さてさて、どうなることやら…(つづく)
Posted by harumaki at 22:53│Comments(0)